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おすすめ映画−アジア/日本

『シュリ』以降でしょうか。韓国映画は目覚ましく躍進し、今や人気・実力を備えた作品が多いですね。しかし十年以上前にもこんな凄い映画が作られていました。

韓国の口承芸能「パンソリ」の旅芸人親子の半生を描いた作品。

お話的にも面白いのですが、何よりもパンソリの唄の響きがすべてを物語っている! こういう表現を芸術(※)というのではないでしょうか!(いきなり、熱く結論^^ゞ)

芸術:一定の素材・様式を使って、社会の現実、理想とその矛盾や、人生の哀歓などを美的表現にまで高めて描き出す人間の活動と、その作品。

詩吟と民謡と小唄をミックスさせたような感じっていったらいいのかな。独特の節回しと抑揚の効いた声、そこから五感に染み入るような響きが伝わってきます。

...パンソリの芸人として旅を続けるユボンと、子供たち(義姉弟)のソンファとトンホ。貧しい流浪の旅が続く中、ソンファは唄を愛し、父親の厳しい指導にも耐えていくが、弟のトンホは耐え切れず逃げ出してしまう。やがて年月が流れ、成長したトンホは家族の消息を追い求める。

トンホがやっと探し出した姉ソンファは盲目になっていた。「パンソリは(ハン:日本語訳では情念)を唄うもの。”恨”を心に刻み込ませるには・・・」と、父が仕向けて娘を盲目にさせたのだ。芸を極めるための父ユボンの恐ろしいまでの執念、そしてそれを無常に受け入れるソンファの姿が儚くも美しい。

パンソリの熱い調べ(声とメロディとリズム)と映像が渾然一体となる、ラストシーン。トンホの前で、盲目のソンファが唄い上げる音の世界は、”恨”を超越したものになった...


何とも形容し難い衝動が全身に伝わってくる、魂が揺さぶられるような映画(芸術表現)です。

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おすすめ映画 風の丘を越えて
 風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ) 1993年製作 韓国 113分
  【監督】イム・グォンテク(林權澤)
  【出演】キム・ミョンゴン、キム・ギュチョル、オ・ジョンヘ、アン・ビョンギョン 他

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ご存知、世界のクロサワによる日本映画の最高傑作。何年か?ぶりにまた観てみました。いやはや感動しました。笑いました。涙しました。何回も観てるのに、何故こんなに面白いのでしょうか!?

七人の侍はアクション大作!のイメージが一般的だと思います。しかし今回DVDであえて字幕で観てみたんですが、この映画の普遍の面白さの要因はあらためてシナリオにあると感じました。物語設定、お話の運び方、ドラマ性、そして要所要所での「魅せ場」づくり。この辺のシナリオが実によくできてるからこそ、三時間半、観る側を全く飽きさせないんですね。

特に前半の七人の侍が集まる過程のお話。むしろ本編ともいえる後半より、お話的には面白かったりします。

貧しい百姓たちが、野盗集団からの自衛のために侍を雇うことにした。しかし払える報酬は腹いっぱい食わせることだけ。どう考えても引き受け手などいそうにもない「侍さがし」。悉(ことごと)く断られる中、最初の勘兵衛(志村喬)が登場。この登場のさせ方というか掴みというか、素晴らしいですよね。智将(リーダー)のイメージを見事に焼き付けます。

その勘兵衛が心動かされて引き受けるシーン。観客(観てる側)も涙させられてしまう説得力です。そしてこのリーダーの存在が核になり、一人また一人と呼応して集まってくる過程が、またなんともゾクゾクするほど面白いのです。

それともう一つはやはりキャラクターの魅力ですね。この映画を長すぎるという人がいますが、じっくり丹念に描かれているからこそ、この七人のキャラクターが鮮烈に印象づけられるんですよね。決して無駄に長いわけじゃない。緻密に作り込まれたお話の面白さと共に、登場人物の魅力にもぐいぐい惹き込まれて、相乗効果でさらに映画として面白くなるわけです。

とりわけ菊千代(三船敏郎)の存在が、どれだけこの映画を面白く魅力的にしているか!。個性だけじゃなく、ストーリーのうえでもものすごく重要な役割を果たしています。

そういった意味からも、このシナリオ(黒澤、橋本、小国の共同脚本)のクォリティは傑出!していると思います。ユル・ブリンナーがこのシナリオに惚れ込んで原作権を購入し、西部劇版荒野の七人を作ったってのもうなずけます。

でもって、話は飛んで(^^;)終盤の戦闘シーン。時代劇アクションですから、自分の足で走るか馬に乗っての戦いです。武器も竹槍・弓矢・刀に少数の種子島(笑)。まあそりゃ現在のハイテクを駆使したアクションに比べれば見劣りするでしょう。

でも、アクションが単にカタルシス的な(痛快さだけの)描写じゃない!。戦いの凄まじさ、厳しさ、そして悲惨さ。戦うってのはこういうことなんだ、という生のリアリティが伝わってくるんです。これは凄い!ですね。技術を超越した、作り手のパワーです(戦闘シ−ンだけに限らないんですが)。

とにかく、ワクワク、ゾクゾク、時にドキドキの緊迫したドラマ性に、感動の魅せ場あり、痛快アクションあり、仄かなラブロマンスあり...映画の面白さが集約されてる、大傑作!ですわ、こりゃほんとに。

こういう映画こそが、ほんとうに実力が備わった筋金入りの名作だと思います。あらためて観て感じました。世界中の映画監督が未だお手本にしているというのも事実でしょう。

あ〜、まだまだあれもこれもでいっぱい見所があって、この映画の魅力を語ってたら収拾が付かなくなりそうです。これくらいでやめときます(^^ゞ。

この映画の凄さをもっと知りたい方は、姉妹ブログの黒澤明 『七人の侍』をお読みください。

※難をいえば当時の録音技術の問題のせいか、台詞が聞き取りにくい。DVDではかなり精度はよくなってますが、一度は字幕ONで観られることをおすすめします。

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おすすめ映画 七人の侍 七人の侍 1954(昭29)年公開 207分
  【監督】黒澤 明
  【出演】志村 喬、三船敏郎、木村 功、宮口精二、加東大介、千秋 実、稲葉義男、
  津島恵子 他

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数少ない(^^ゞ厳選おすすめ日本映画
日本映画のおすすめは大半、姉妹ブログ『黒澤明 〜日本映画 監督篇〜』のほうで紹介してます。
よろしければ、覗いてみてね...


戦後日本のありふれた家族の姿を通して、人生のわびしさと悲しさを描き綴った映画。

全編を通して、ゆったりと自然に何気なく映し出されているんですが、何ともいえない不思議な味わいのある、小津監督ならではの妙技といえる作品だと思います。

小津監督の作品は、日本の家族を題材にしたごく日常的なホームドラマが多く、日本人にしか理解できないのではないか、とも思うんですが、世界的にもかなり高い評価を受けています。

それは小津映画の、独特のスタイルが大きな要因になっているようです。ごく低い位置からのローアングルで人物を正面から見据える、そして登場人物の配置、それらの構図に徹底的にこだわっています。これだけ頑固なまでに独自スタイルを確立した監督は、世界でも類を見ないとの事。

そう言われてみれば、この東京物語でもそのスタイルは一貫していて、それが何を意図しているのかは私にはわかりませんでしたが、ある映画関連誌の中で、「小津監督の演出には、その徹底した構図に代表される法則性があり、それは調和と安定を目指すものである」、という解説がありました。なるほど。

そういった点から観てもこの映画は面白いのですが、何といっても笠 智衆と東山千栄子さん演ずる老夫婦の、ゆったりと哀感あふれた実に素朴な雰囲気。これはもう演技を超越してますね〜。

そんな老夫婦と子供達のエゴイズム、それに義理の娘(原節子さん)の真の優しさ、それらの対比が映画全体に抑揚をもたらしていて、より一層無常感を際立たせているように感じます。

派手な演出もなく、さりげなく描かれているのに、根底からしみじみと人生の深みが伝わってくる映画。まさしく、こういう作品が真の芸術なのではないでしょうか。

紛れもない、日本が誇れる珠玉の名作!です。

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おすすめ映画 東京物語

 東京物語 1953(昭28)年公開  136分
  【監督】小津安二郎
  【出演】笠 智衆、東山千栄子、原 節子、 杉村春子、山村 聡 他

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日本映画も紹介しないとね(けどひじょうに数少ないのよね^^;)。
日本映画のおすすめは大半、姉妹ブログ『黒澤明 〜日本映画 監督篇〜』のほうで紹介してます。
よろしければ...


今は亡き深作欣二監督の最高傑作!。

(数少ないですが^^;)私が今まで観た日本映画の中で、最高に面白かった映画。理屈抜きに面白い、楽しめる映画。以降こういう映画は未だ登場していないのでは?

映画館で最初一人で見て、あまりの面白さに2回目は彼女と見て、そして3回めは友達と見て、それからビデオでも何回も観て、つい最近久しぶりに観て...それでもさらに面白かった。

黒澤監督や小津監督の映画がいくら素晴らしくても、リアルタイムで観ているわけじゃないから、どうしても思い入れが薄い分、自分の評価としては下がってしまう。だから多感な青春期にちょうど出会ったこの映画は、自分にとって特別な宝物のような価値がありますね。

やはり日本人だから、言葉や様々な状況のニュアンスがストレートによくわかるから、本当に面白い日本映画なら、洋画よりよっぽど楽しめる。その事を実感させてくれたのが、この映画です。

とにかくそれまでの映画では観た事のない、気持ちがいいくらいスピーディなテンポに、ハイテンションで明るいキャラクター陣、そこに人情が絡んで、痛快に笑えて泣ける

特に撮影所での時代劇やアクションシーンのカットが次々と展開していく場面は、実に痛快! また花形スター銀ちゃん(風間 杜夫)と万年大部屋俳優ヤス(平田 満)とのはちゃめちゃで奇妙な友情関係、とりわけ銀ちゃんに対するヤスの異常までの想いには、切なく、じんと来るものがあります。そして小夏(松坂慶子)の存在が、さらに映画に花を添えているし...

面白さを語っていたら、あれもかれもと思い出して、まとまりがつきません(^^;)。この映画を凌ぐ痛快娯楽作を観てみたいものです。

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おすすめ映画 蒲田行進曲

 蒲田行進曲 1982(昭57)年公開 109分
  【監督】深作 欣二 【出演】風間 杜夫、平田 満、松坂 慶子 他

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中国の文革(文化大革命)の時代を背景にした、庶民の悲劇を描いた映画。

誠実に頑張って生きていけばいくほど禍いがふりかかってくる、理不尽な時代に、同じように迫害を受けた男女が、苦難に耐え忍びながらも強く生きていく。その2人の姿が実に感動的に描かれています。

反革命分子として何もかも没収され、罰を受けた玉音(ユィイン)と秦(チン)。来る日も来る日も、町の清掃を繰り返す絶望の毎日。やがて2人には自然と愛が芽生え始め、お互いに生きる支えとなる。雨の日も雪の日も、ほうきを持った変わらぬ2人の光景は続くのだが、それでも時にダンスのように舞いながら、時に身を寄せながら、愛を育んでいく。そして2人が初めて抱き合うシーンの、何と瑞々しく、激しい事!。

それらの描写がすっごく美しく純粋で、今また思い出すだけで涙が出てきてしまいます。また秦の真の男らしさ、玉音のいじらしくも健気な姿にも、誰もが深い感銘を受ける事と思います。

そして国家権力によって非情にも2人は引き離されるけど、「牛馬になっても生き抜こう!」と誓い合うシーンは、特に鮮烈な印象として残ってます。

やがて文革の嵐はおさまり、物語はハッピーエンドで終わるんですが、文革の亡霊がいまもなお潜んでいる、と言われるように、未だ終わらない中国の悲しい歴史の余韻を響かせながら、映画は幕を閉じていきます。

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おすすめ映画 芙蓉鎮

 『芙蓉鎮(ふようちん)』 1987年製作 中国 165分
  【監督】謝晋(シェ・チン)
  【出演】姜文(チアン・ウェン)、劉曉慶(リウ・シャオチン)、徐松子(シュイ・ソンツ) 他

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 ※劇場公開版DVDがリリースされています。

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モカ次郎
似顔絵イラストメーカーで作成


そんじょそこらにいるただの一偏屈映画好き、40代のお兄さんです(笑)

最新の映画は、他の映画サイト様にお任せするとして...お兄さんは
時代に埋もれない、そして自分の墓場に埋めてもらいたい(笑)、そんな映画を厳選して紹介していきます。

◎ネタバレ注意!

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